内閣府が、先月29日に発表した「少年非行に関する世論調査」によると、少年が非行に走る社会的要因について「携帯電話やインターネットの普及で簡単に見知らぬ人と出会える環境にある」が最も多く63.4%でした。
世論は「ケータイやネットが少年を非行に走らせる一番の社会的要因だ」ということですが、筆者も1人のネットの住人として申し上げておきたいことがいくつか。
■世論は今でもマスメディアによって形成される
そもそも世論を形成するために世間の人々は何処から情報を得ているかというと、今でもテレビや新聞といったマスメディアです。インターネットというメディアも成長はしましたがそれでもマスメディアのリーチにはかないません。ですから世論を形成するのはマスメディアといっても間違いではないのではないでしょうか。
■マスメディアはネットのネガティブキャンペーンをし、「ネット≒悪」を印象づける
そして意図的なのかどうかは知りませんが、マスメディアではネット犯罪を積極的に問題視し、なんとなく「ネット≒悪」なんじゃないかと視聴者に印象づけます。
おかげで私の家族はネット犯罪の報道をテレビで見るたびに「ネットなんてやらないほうがいい」と言う始末です。これはマスメディアが世論を作ったという1つの例だと思います。それが上記の世論調査の結果となって出たと推測します。
■“凶器”に成り得る点では自動車も同じ
とは言いながらもネットによる犯罪が存在することは事実です。
ネットやケータイを介して見知らぬ人に会えたり、性や犯罪に関する情報を簡単に手に入れられるようになりました。非常に危険なツールです。
ところで自動車も同じようなことが言えます。自動車はとても便利な乗り物ですが、年間何千人を殺す凶器です。だからと言って自動車を乗ることは悪でしょうか。必ずしも、というか十中八九そういう認識で自動車に乗る人はいないでしょう。ネットも自動車も凶器には成り得ます。しかし非常に便利で、現代社会には必要不可欠なツールです。
ネットやケータイによって「簡単に見知らぬ人と出会える環境にある」が非行の原因だという世論ですが、「簡単に見知らぬ人と出会える環境」があったからこそ、命を救われたという若者もいます。幸せをつかんだ者もいます。そして最近ではエジプトの反政府デモという革命が起きました。
ネットの歴史はまだ浅いことから、一部社会が拒絶反応を起こしているのかもしれません。ネットの素晴らしさは、これから若者たちがつくり上げる歴史が証明するでしょう。
(福澤)
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(参考リンク)
非行要因「ネット・携帯で出会い簡単」6割超す : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
少年非行に関する世論調査
Togetter – 「#jan25 エジプト ソーシャル革命」
アラブの政変で負けようとしているのは誰なのか? – Chikirinの日記
福澤(フクザワ)
ハイパーメディアクリエイター。(自称)
・blog「名古屋の工業大生のブログ2.0」 http://blog.metacortechs.net/
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